回復期リハビリテーション病棟開設にあたり
平成13年9月
2000年4月の診療報酬改定によって「回復期リハビリテーション病棟入院料」が新設されました。「回復期リハビリテーション病棟」とは「脳血管疾患、又は、大腿骨頸部等下肢の骨折等の患者」に対して、ADL能力の向上による「寝たきりの予防」と「家庭復帰」を目的としています。ここでのリハビリテーションプログラムは、医師、看護師、理学療法士、作業療法士等が共同で作成し、また、これに基づくリハビリテーションを集中的に行うための病棟となっています。
野洲病院では、平成4年8月理学療法IIを取得し、さらに、平成11年7月、病院の増改築に伴うリハビリテーション室の一新と拡充にともない、作業療法IIの施設基準を取得しました。ここでは、急性期、亜急性期の入院患者、及び、回復期、維持期の外来患者のリハビリテーションを行って来ました。また、入院患者の退院時には,家庭訪問等により患者の身体機能・ADLのレベルに応じた住環境の整備なども実施して来ました。一方、平成5年より、在宅後の患者のフォローを主な目的に「老人デイケア(現:通 所リハビリテーション)」や「訪問リハビリテーション」を実施し、地域と連携しながら「地域リハビリテーション」にも積極的に関わってまいりました。
このように、当院では、リハビリテーションの充実に力を注いでまいりましたが、平成13年9月に「回復期リハビリテーション病棟」の運用を開始致しました。この病棟では、専任配置された医師、理学療法士、作業療法士と看護師、医療ソーシャルワーカー等、各専門医療スタッフらの有機的な連携により、患者の生活自立度の向上を図り、よりよい状態で早期に家庭や社会に復帰することを目標に、より精度の高いリハビリテーションを提供して参ります。 (平成13年9月12日京都新聞掲載)