新年度を迎えるにあたって
2019年度に市立の病院となってから、今年度で丸5年を迎えることとなりました。
昨年度を振り返りますと、4月に2名の内科医師を増員、10月にはサポートカー(在宅医療支援)を導入し、総合内科外来を開設致しました。11月には泌尿器科の副院長が赴任され、泌尿器科が2名体制となり、本年1月からはアルツハイマー病(認知症)に対する抗アミロイド抗体治療が開始されました。
さて、今年度から5年間の予定で、野洲市と滋賀医科大学との共同研究講座が開始されます。それに伴い、当院にリハビリテーション医学が専門の整形外科医が赴任され、整形外科2名体制となりました。また、股関節手術専門の特任教授が外来診療と手術のために毎週勤務されることとなり、当院の整形外科、リハビリテーション医療が充実することとなりました。そのほか、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、薬剤師、事務職員についても20名の新規採用者を迎え、診療の充実に努めます。
新病院の整備につきましては、昨年6月に新病院整備事業の公告を行い11月に熊谷組、内藤設計を中心とする事業体とデザインビルト方式で設計・施工の一括契約を結びました。円安や人手不足などによる建築費の高騰のため一部設備などを除外した契約となりましたが、議会で認めていただいた追加予算をもって、本年2月には設備を含めた全体的な契約に移行できました。5月には基本設計が完成し、実施設計や総合体育館横の市有地での準備工事のあと、年度末にはいよいよ本体の整備工事が始まる予定です。このように新病院整備は着実に進捗しています。
病院長ほか病院スタッフと連携を図り、新病院整備事業とともに、現病院設備の整備・改修などを行いながら、良質で安全な医療の提供と経営面を強化するため引き続き取り組んでまいります。
2024年4月
病院長(病院事業管理者) 前川 聡
※2024年11月1日より職位変更
新年を迎えて
コロナ感染症は五類とインフルエンザと同じレベルの感染症になり、それなりに落ち着きを見せています。むしろ、インフルエンザや高齢者の帯状疱疹などが多く見られるようになってきました。特に、帯状疱疹は予防するには、水疱ウイルス(水疱瘡ウイルス)ワクチンを打つ必要があります。小児用の水疱ウイルスワクチンは力価が低下していて、できれば、シングリックスと言われる遺伝子組み換えワクチンを2回打つことで、10年近く高い抗体が維持され、予防に役立つと言われています。野洲市では、本年から、65歳以上の方のワクチン接種の一部の費用負担を行うことになっています。
遺伝子工学は近年高度に進歩して、遺伝子組み換え抗体を使ったアルツハイマー病治療薬(正確には、疾患修飾薬)が、1月から野洲病院でも使えるようになりました。進行した状態では使えませんが、物忘れが気になる軽度認知障害(MCI)や早期のアルツハイマー病に使えるものです。これまでの内服薬と異なり、脳に溜まる異常蛋白であるアミロイド蛋白を抗体で除去するものです。
医学の進歩はここ数年素晴らしく、不治の病であったガンも5年生存率ではなく10年生存率で6割の人が生存しています。不幸なことに、コロナ感染が蔓延して多くの高齢者が亡くなりましたが、健康寿命は明らかに伸びていると思います。これからの人生はよく言われるように、一生が100年と考えて生き方を考えていくべき時になってきました。野洲病院がその一助になれるよう、病院職員が一丸となって頑張っていきたいと考えています。
2024年1月
相談役 福山 秀直
※2024年11月1日より職位変更